昨今、技能実習生が家畜を窃盗したうえ、自家屠殺して販売して逮捕された事案がニュース等でも取り沙汰されましたが、容疑者の中には新型コロナウィルスによって仕事を失い、転職もままならない制度で来日したことによって立ち行かなくなった経済状況に陥った者もいたなどの話がありますが、あながちそれを嘘とは言い切れないのが技能実習制度です。
この事案ではベトナム国籍の20~30代の実習生4人が逮捕されましたが、群馬県の前橋地検は理由こそ明らかにしていないものの、全員を不起訴処分とする決定を下しています。
彼らがどのような背景から犯行に及んだのかは定かではありませんが、技能実習制度が労働者保護の観点からすれば「現代の奴隷制度」と揶揄されるほどに問題点が多いことについては、技能実習に関する様々なメディア報道が列挙されるほどです。
新型コロナの影響から解雇となった実習生は収入がなく、任意で転職もできない立場であります。
なかには監理団体や、監理団体を監督する立場にある外国人技能技能実習機構へも相談したもののまったく埒が開かず、本来ならば監理団体と連携する立場にあるはずの送出機関から失踪を勧められるほど追い詰められた事例も出ています。
この事例によれば、当該人物はベトナム出身で2月から埼玉県内の工場で働き始め、工場では社長を含め日本人が3人と、30人程度のベトナム人が在籍していたといいます。
実習生は本人を含めて2人で、残るベトナム人は「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で働いており、実習生の指導役としての役割も与えられていたようですが、業務は皆同一で、機械によるボールペンへの名入れ作業とその梱包だったそうです。
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